USAコットンmodaの布生地は事前に水通しするべき?

USAコットン moda(モダ)の生地を販売していると、使用する前に水通しすべきかどうかをよく尋ねられるのですが、結論としては、水通しすべき/すべきでない の正解はありません。数多くの意見があり、作品に求められる精度や作る人の好み等にもよります。

あくまで一意見として、《水通しする/しない》ことでどのような影響があるか、以下に記載します。

事前の水通しのメリット

あらかじめ縮みを確認できる

modaの布生地はコットン100%ですので、洗うと3%前後は縮みます。高い精度が求められるような芸術作品や、洗濯後にサイズが変わっては困る衣服を製作する際には事前に水通しが必要となります。

あらかじめ色落ちを確認できる

赤や紫、紺色、緑などの彩度の高い色の布生地は、水通しすることで余分な染料が取り除かれる可能性があります。(もっとも、最近の布生地はほとんど色落ちはしませんが)

化学物質を除去できる

布生地は染めから仕上げまで様々な化学物質が使われています。特に、手縫いで長い時間をかけて製作する場合は布生地に触れる時間が長くなりますので、化学物質に敏感なお肌の方は水通しすると良いでしょう。

布生地の歪みを直しやすい

布生地を半折に巻く際に引っ張られたり伸びたりして、地の目が歪んでいることがあります。大抵は水スプレーとアイロンで直せますが、うまく直せないときは水通ししてからアイロンすると直しやすいです。

事前の水通しのデメリット

生地のハリが無くなる

modaの生地は裁断や縫製がしやすいように、少しだけハリのある生地となっています。水通しすると柔らかくなりすぎて、ミシンでのCut&Sewが少々やりづらくなります。なお、昔のUSAコットンは糊が強く、”水通ししないと針通りが悪い”とされていましたが、現在の生地は昔ほどパリパリではありませんので、水で落とさなくても十分縫いやすいです。

(プレカット商品の場合)生地がバラバラになりやすい

チャームパックやジェリーロールなどのプレカット商品の場合、細かい生地が枚数多く入っており、色合わせしやすいように似た色同士でまとまっています。これを水通しすると、すべてバラバラになってしまい、乾かす際も1枚1枚洗濯バサミに留めることを考えると、大変な手間です。すぐに製作に取りかかれて効率よく作品が作れるのもプレカット商品の売りの1つですので、水通しせずにそのまま使用するのが良いでしょう。(ただ、fat quarterやfat eightなどのカットクロスはある程度の面積がありますし、折りシワが強いこともあり、まとめて洗濯ネットに入れて水通しする人もいます。)

*現在の布生地は一昔前に比べると縮みが少ない加工がなされ、染料の定着も良くなっているため、水通ししないで使用してもそれほど心配することはないと思いますが、以上の点を考慮したうえで水通しするかしないかは個人の自由です。

縫製後に洗濯すると?(実例)

私がいつも製作するのは ”日常でよく使い、よく洗うキルト” なので、事前に水通しはしていません。キルトが完成してから洗濯しています。

以下は、私の作品(すべてmoda生地を使用)の場合の洗濯後の状況です。ご参考まで▼

  • 縮み→ ランチョンマットなら1%程度(例5mm~1cm)、大判キルトなら2%程度(例1cm~2cm)の縮みが見られます。
  • 色落ち→ 赤と白、などを使用したキルトでも白地に赤い染料が移ったことはありません。何度も何度も洗濯していると濃い色は薄くなっている気がします。(干しているときの太陽光の影響もあると思いますが)
  • パッチワークの歪みなど→ パターンの歪みが目立つようなことはありません。洗濯後は完成時よりはシワが寄りますが、キルトの「味」と考えています。タペストリーなどでシワが気になる場合は軽くアイロンをかけます。
\USAコットンmoda fabricsのご購入ならコチラ/

参考:「To wash or not to wash…」by moda fabrics + supplies
https://my.modafabrics.com/2018/02/to-wash-or-not-to-wash